南米北東岸で上陸 重ね岩の近く

発見物情報
補足
低木林や湿原などに生息する犬の仲間。乾季になると低地へ、雨季になると高地へ移動する。乾季は小型の脊椎動物やカニ、雨季は昆虫を食べる。体毛は粗く、胴は灰褐色または黄廃色で、背筋に鮮明な黒線がある。
考察
カニクイイヌは、南アメリカに広く分布するイヌ科の動物で、学名は Cerdocyon thous。灰褐色を基調とした毛並みに、顔や耳、脚には赤みが差し、耳や尾の先端が黒くなる。体重はおよそ5〜8kgほどで、キツネに似た細身の姿をしているが、脚は比較的短くしっかりしている。名前には「カニクイ」と付くものの、カニだけを専門に食べるわけではない。
食性はかなり幅広く、小型哺乳類、鳥、爬虫類、両生類、魚、昆虫、果実などを利用する雑食性である。特に雨季にはカニなどの甲殻類を多く食べることがあり、そこから英名の crab-eating fox が付けられた。乾季には昆虫の割合が増えるなど、季節や環境に応じて食べ物を柔軟に変える。決まった獲物だけに頼らないことが、この動物の強みでもある。
森林やサバンナなどさまざまな環境に適応し、人の生活圏近くに現れることもある。見た目や名前からはカニを狙う特殊なイヌを想像しやすいが、実際には南米の多様な環境を渡り歩き、その時に手に入る食物を巧みに利用する機会主義的な動物である。「カニクイ」という一部分だけでは見えない、柔軟な生き方こそがこの動物の特徴といえる。
