ローマの街中 円形闘技場の近く

補足
ローマに位置する丘の一つ。古代ローマ時代の神殿や住居の跡があり、ローマの数ある丘の中でも最も歴史が古いと見られている。
考察
パラティーノの丘は、ローマ中心部にある七丘のひとつで、フォロ・ロマーノとチルコ・マッシモの間に位置する。考古学調査では鉄器時代の集落跡が確認されており、古代ローマ人自身もこの丘を都市発祥の地と考えていた。ロムルスがローマを築いたという伝承とも深く結びつき、七丘の中でも特に古い歴史を持つ場所として扱われてきた。
共和政末期になると、交通や政治の中心に近い立地から有力者の邸宅が集まる住宅地となり、キケロやマルクス・アントニウス、アウグストゥスらもここに住んだとされる。やがてアウグストゥス以後の皇帝たちも宮殿を築き、ティベリウス宮殿やドミティアヌス帝時代の大規模な宮殿群へと発展した。丘の名「Palatium」が、後に英語の palace をはじめ「宮殿」を意味する語の語源になったことでも知られている。
現在のパラティーノには皇帝宮殿、住居、神殿などの遺構が重なり、ローマが小さな集落から帝国の首都へ成長していった過程をひとつの丘の上でたどることができる。単に「古い丘」というだけではなく、建国伝承、共和政期の上流住宅地、そして皇帝の宮殿地区へと役割を変えてきたことが、この場所の大きな魅力である。
