長崎の北の洋上

発見物情報
補足
読みは「いき」。九州北西部の玄界灘に位置する島。
暖流である対馬海流の影響で、気候は比較的温暖である。
古くから海路上の中継地点として、朝鮮半島と九州をつないできた場所でもある。
考察
壱岐は、九州北西部の玄界灘に浮かぶ島で、対馬と福岡のほぼ中間に位置している。南北約17km、東西約15kmほどの比較的平坦な島で、周辺海域では対馬暖流の分岐流と九州沿岸流が交わる。こうした海流の影響によって海産資源にも恵まれ、古くから海と深く結びついた暮らしが営まれてきた。
壱岐の歴史を特徴づけるのは、その位置である。中国大陸や朝鮮半島と九州を結ぶ海上交通の途中にあり、弥生時代には交易の中継地として大きな役割を果たした。中国の歴史書『魏志倭人伝』には「一支国」として登場し、現在の原の辻遺跡からは当時の集落や交易を物語る多くの遺構・遺物が見つかっている。
その後も壱岐は、朝鮮半島や大陸と日本列島を結ぶ航路上の島として歴史に登場し続けた。海に囲まれた小さな島でありながら、単なる寄港地ではなく、人や物、文化が行き交う接点だったことが壱岐の大きな特徴である。地図上では一つの島にすぎないが、海上交通の視点から見ると、東アジア交流史の重要な場所の一つといえる。
