補足
重慶付近の山の一つで道教の発祥地。
樹齢の古い木々が多く一年を通して緑に覆われていることから、この名前が付いたといわれる。
考察
青城山は中国四川省、成都平原の西部に位置する山地で、都江堰とともに世界遺産に登録されている。山中には深い森林が広がり、数多くの峰や谷、渓流が複雑な地形をつくる。古くから静かな山岳景観で知られ、現在も建福宮、天師洞、上清宮などの道教寺院が森林の中に点在している。青々とした樹木に覆われた景観は、青城山を象徴する特徴の一つである。
この山を特に重要な場所としているのが、道教との深い関係である。UNESCOは青城山を道教発祥の地の一つと位置づけており、後漢の142年ごろ、張陵がこの地で教えを説き、後に天師道と呼ばれる宗教組織の基礎を築いたとする。山中にはその活動に結びつく寺院が築かれ、晋・唐代以降も道教の信仰と思想の重要な中心地として発展した。
道教では仙人や長生、不老不死への憧れが古くから思想や修練と結びついてきた。青城山そのものに「不老不死の霊薬」が存在したわけではないが、仙境を思わせる深い山林と、道教修行の聖地という性格から、そうした伝承と結びつけられるのは自然だったと考えられる。単なる景勝地ではなく、山の自然環境と宗教文化が長い時間をかけて重なり合ってきたことが、青城山の大きな特色である。

