マカッサルの南にある海域

発見物情報
補足
セレベス島の南に広がる海。水温が高く、塩気の強い海水のため独特の海洋生物が見られる。また、この地域の小島にも変わった生物が多く、興味深い。
考察
フロレス海はインドネシア中部、スラウェシ島の南から小スンダ列島北側にかけて広がる海域である。西側はジャワ海やマカッサル海峡、東側はバンダ海へとつながり、太平洋とインド洋の間を流れるインドネシア通過流の重要な経路の一つとなっている。特にマカッサル海峡を南下した海水の多くはフロレス海を東へ進み、バンダ海を経てインド洋方向へ運ばれていく。
この海域の水温や塩分は一定ではなく、季節風や周辺海域から流れ込む水塊によって大きく変化する。北西季節風の時期にはジャワ海から低塩分の表層水が東へ運ばれ、逆に別の季節にはマカッサル海峡から比較的塩分の高い水が流れ込む。したがって、旧来の説明にある「塩気の強い海水」という特徴だけでフロレス海を表すのは正確とは言いにくい。
一方、周辺には火山島や深い海盆、複雑な海峡が連なり、多様な海洋環境が形成されている。西部にはコモド諸島があり、周辺海域は世界遺産にも含まれる豊かな海洋生態系を持つ。独特の生物相は単純に高水温や高塩分によって生まれたものではなく、島嶼が入り組む地形、強い海流、湧昇、そしてインド洋と太平洋の生物地理的な境界に近いことなど、複数の条件が重なった結果と考える方が適切である。
