補足
かつて鄭成功の拠点となっていた島。
貢糖と呼ばれる、砂糖とピーナッツを原料にした産物が有名。
考察
金門島は中国大陸の福建省沿岸、厦門の東方に位置する島で、古くから海上交通と軍事の要衝として重視されてきた。明代には倭寇対策のため城郭や守備施設が整えられ、「海への門を固く守る」という意味から金門の名が定着したとされる。大陸沿岸と台湾海峡を結ぶ位置にあるため、交易と防衛の両面で重要な役割を担ってきた。
明末清初には鄭成功が金門と厦門を重要な拠点として利用し、兵を訓練しながら反清復明の活動を進めた。1661年には金門の料羅湾から大軍を率いて台湾へ向かい、オランダ勢力との戦いに入っている。そのため旧来の説明にある「鄭成功の拠点となっていた島」という表現は大筋で正しい。ただし、金門だけが単独の拠点だったわけではなく、厦門と一体となった軍事・海上拠点として見る方が実態に近い。
金門の名物として知られる貢糖は、落花生と糖を主材料にして作られる菓子である。金門県政府によれば、その名には二つの説があり、一つは朝廷への貢ぎ物とされたため「貢糖」と呼ばれたというもの、もう一つは閩南語で搗く・叩くことを表す「摃」に由来するというものだという。現在も貢糖は高粱酒や包丁と並ぶ金門の代表的な特産品で、島の食文化を象徴する存在となっている。

