南米北西岸付近の湾

発見物情報
補足
パナマの南、南米の北西岸に位置する湾。湾の南部にはマングローブの林が存在する。南からの冷たい海流は、湾の以南で西に流れを変えるため、水温は比較的高い。
考察
ブエナベントゥラ湾はコロンビア西部、太平洋岸のバジェ・デル・カウカ県に位置する湾で、国内最大の港湾都市ブエナベントゥラを抱える。湾内には河川から大量の土砂が流れ込み、干潟や潮汐水路が発達している。沿岸には広大なマングローブ林が広がり、特に湾周辺はコロンビア太平洋岸を代表する湿潤な熱帯沿岸環境の一つとなっている。
この地域のマングローブは、魚類や甲殻類、軟体動物などの生育場として重要で、地域住民の漁業や生活とも深く結びついている。バジェ・デル・カウカ県には複数種のマングローブが分布し、ブエナベントゥラ湾もその主要な分布域に含まれる。一方で港湾開発、浚渫、都市化、汚染などの影響も大きく、現在は保全や再生事業が進められている。
旧来の説明では「南からの冷たい海流が湾の以南で西へ流れを変えるため、水温は比較的高い」とされているが、この因果関係は今回確認した公的資料では十分裏が取れなかった。ブエナベントゥラ周辺の海況は、赤道域の太平洋循環、季節変動、沿岸流、降水や河川流入など複数の要因に左右される。実際、周辺の太平洋岸には温暖で浅い沿岸水域も広がるため、単純に「寒流が逸れるから暖かい」と説明するのは避けた方がよい。地理的には、豊富な降水、河川の土砂供給、干潟とマングローブがつくる沿岸環境こそが、この湾の大きな特徴である。
