補足
オマル・ハイヤームの著した四行詩集。
ペルシャ語で四行詩を意味する。美酒と酒姫に対する賛歌を歌い続け、刹那的快楽主義を主張している。
考察
『ルバイヤート』は、11~12世紀のペルシャの学者オマル・ハイヤームに帰せられる四行詩群である。「ルバーイー」はペルシャ語詩の四行詩形式を指し、その複数形が「ルバイヤート」である。ハイヤームは数学者・天文学者としても著名だが、後世には人生の無常、運命、死、酒、現在を楽しむことなどを詠んだ詩人として広く知られるようになった。
ただし、現在『ルバイヤート』としてまとめられているすべての詩が、ハイヤーム本人の作とは限らない。本人の死後かなり経ってから文献に現れる四行詩も多く、別の詩人の作品が混入した可能性が研究上指摘されている。そのため、「ハイヤームが著した一冊の詩集」というより、彼に帰属されてきた多数の四行詩を集成したものと考える方が実態に近い。
ゲーム内の説明にある「美酒と酒姫に対する賛歌」「刹那的快楽主義」という理解は、後世の代表的な読み方の一つではある。ただし、酒は単なる享楽の象徴に限らず、人生の短さや不確実さを意識し、今この瞬間をどう生きるかという哲学的な問いと結びついている。また、酒を文字どおり読むか、神秘主義的な象徴と見るかについても解釈は分かれてきた。単純な快楽主義だけでは捉えきれない作品群である。

