カンディアの門の外 北西にある十字架の墓付近

発見物情報
補足
土の素地に釉薬(ゆうやく)をかけて焼いた器。技術が発達してくると、さまざまな色の物や、彩色した物が出てくる。
考察
古代クレタでは、先史時代からさまざまな土器が日常生活に使われていた。クノッソスでは新石器時代から、食物の調理、飲食、保存などに土器が用いられており、表面を磨いたり線刻文様を加えたりする技術も発達していた。青銅器時代に入ると、ミノア文明の陶器はさらに多様化し、器形、焼成技術、表面処理、彩色のいずれも大きく進歩していく。
初期ミノア時代には、赤や黒の斑模様を意図的に生み出すヴァシリキ土器や、淡い地に赤褐色の線を描くアギオス・オヌフリオス土器などが現れた。中期以降には暗色地へ白色や多色で模様を描く技法が発達し、新宮殿時代には植物文様やタコ、貝、海藻などを器面いっぱいに描く「海洋様式」も生まれた。こうした陶器は単なる生活道具ではなく、宮殿社会の美意識や儀礼、交易の広がりまで伝える資料となっている。
ゲーム内の説明では「土の素地に釉薬をかけて焼いた器」とされているが、古代クレタの代表的なミノア土器を説明するには少し注意が必要である。表面に光沢のある塗膜を持つ例はあるものの、現代の陶磁器でいうガラス質の釉薬とは異なり、精製した粘土質の化粧土や顔料を塗って焼成したものが多い。色彩豊かな陶器が技術の発達とともに現れたという点は正しいが、その仕組みは「釉薬」の一語では表しきれない。
