トルコ西岸で上陸 奥のヒサルルクの丘 北の端

発見物情報
補足
古代文明で使われていた敷物。動物の毛や麻などで織られている。
考察
ヒサルルクの丘に築かれたトロイでは、青銅器時代の各層から紡錘車や織機の重りなど、糸を紡ぎ布を織るための道具が数多く出土している。布そのものは土中で腐りやすく、木器や革と同じように残りにくいため、古代の織物文化はこうした道具や植物遺存体から復元される部分が大きい。近年のトロイ研究でも、亜麻の栽培とその繊維利用が重要だったことが示されており、敷物や衣服などに使える布を集落内で生産していた様子がうかがえる。
アナトリア全体に目を広げると、素材はさらに多彩だった。青銅器時代の楔形文字資料には羊毛や羊毛製品が頻繁に登場し、織物は日用品であると同時に交易品や貢納品でもあった。ベイジェスルタン遺跡からは植物繊維を使った織物も見つかっており、分析によって麻が使われていた例も確認されている。古代の人々は、その土地で得られる植物繊維と動物繊維を使い分けながらさまざまな布製品を作っていた。
ゲーム内の説明にある「動物の毛や麻などで織られている」という内容は、古代アナトリアの織物文化としては十分に成り立つ。ただし、この発見物がヒサルルクで出土した特定の敷物を再現したものかどうかは確認できない。トロイでは繊維生産の痕跡そのものは豊富なので、実在する一枚の遺物というより、集落の日常生活を支えた織物文化を象徴した発見物として見ると分かりやすい。
