ナントの門の外、西の端

補足
「こっかくき」。動物の骨や角を削って作った先史時代の道具。骨は刃物にできないが、矢じりや槍、針にはよい。また、護符や装飾品などにもよく用いられた。
考察
骨角器は、動物の骨や角、牙などを加工して作られた道具の総称で、石器と並んで先史時代の暮らしを支えた重要な遺物である。ヨーロッパでは後期旧石器時代になると骨やシカ科動物の角を本格的に加工する技術が発達し、槍先、銛、針、錐など用途に応じた道具が作られるようになった。石とは性質が異なり、細長く成形しやすく、ある程度の弾力も持つため、縫製や漁労、狩猟用具には特に適していた。
実際にマドレーヌ文化期の遺跡からは、角製のかえし付き銛や槍先が数多く見つかっている。骨製の針も存在し、衣服や皮革製品を縫うために使われた。さらに、骨角器には機能だけでは説明できない品も多い。表面に動物や幾何学文様を刻んだもの、髪飾りやペンダントとして用いられたものもあり、道具と装飾、象徴的な意味の境界がはっきりしない例もある。身近な獲物から得られる素材を、生活用品にも装身具にも作り替えていたことがうかがえる。
ゲーム内の説明では「骨は刃物にできない」とされているが、ここは少し強すぎる。石製の刃物ほど鋭利な刃を得る材料ではないものの、骨を削って刃状・尖頭状に加工した道具自体は存在する。一方で、矢じりや槍先、針、護符や装飾品に使われたという説明は実例とよく合う。骨角器は、石器では代替しにくい用途を補いながら、先史時代の加工技術と美意識の両方を伝える遺物である。
