銀で作られた器。実用品より、祭器や特別な用途に使われていたようである。

発見物情報
補足
銀で作られた器。実用品より、祭器や特別な用途に使われていたようである。
考察
銀製の器は、古代地中海世界や西アジアで、食事や酒宴、贈答、祭祀など幅広い場面に用いられた。金よりは入手しやすい一方で、日常的な陶器や木器に比べれば高価で、所有できる層は限られていた。現存品には浅い鉢、酒杯、水差しなど多様な形があり、表面に打ち出しや線刻、鍍金を施した豪華なものも少なくない。こうした器は、単なる容器であると同時に、持ち主の身分や富を示す役割も担っていた。
銀器は宗教儀礼とも深く結びついている。神殿や聖域から出土する銀製・青銅製の鉢の中には、奉納品だったとみられるものや、液体を神に捧げる灌奠に使われた可能性のあるものがある。一方で、宮廷や上流層の宴会で酒を飲むための器として使われた例も豊富だ。アケメネス朝の銀製鉢には王名を刻んだ品があり、王やその客が宴席で使用したとみられている。用途を一つに絞るのは難しく、同じような器形でも使われる場面はさまざまだった。
そのため、ゲーム内の「実用品より、祭器や特別な用途に使われていた」という説明は半分ほど当たっている。銀器が日常雑器より特別な品だったことは確かだが、祭祀専用だったわけではない。宴会や贈答、墓への副葬、権威の誇示などにも用いられた。高価な銀という素材そのものが、器に日用品以上の意味を与えていたと捉えると、古代銀器の実像に近づく。
