バルト海南西で上陸、南西のほう

発見物情報
補足
ハサーは、有翼重騎兵のこと。ポーランドの華美な装いをした勇猛な騎兵で、猛禽の羽でできた大きな羽飾りを背負った。この羽飾りに風を通して音を立て敵の恐怖心を煽るのだという。
考察
ハサー、より正確にはポーランド・リトアニア共和国のフサリアは、16~17世紀に活躍した重騎兵である。長槍やサーベルを装備し、華やかな甲冑や毛皮とともに、羽を並べた「翼」が象徴的な装具として知られている。ただし、この翼は最初からフサリアの標準装備だったわけではない。16世紀半ば頃から現れ、当初は盾などに取り付けられ、その後は鞍や背中付近に装着する形が見られるようになった。
有名な「背中に大きな翼を付けて突撃する」という姿も、実戦時の標準像とまでは言えない。ワルシャワのポーランド軍事博物館によれば、17世紀前半の軍装規定には翼への言及がなく、戦闘を描いた同時代絵画にも翼を付けていないフサリアが登場する。とくに実戦では翼が壊れやすく、必ず装備されていたわけではなかったらしい。むしろ後世になるほど、儀礼や行進で華やかな象徴として強調されていった。
ゲーム内の説明でいちばん慎重に扱いたいのは、「猛禽の羽で作られ、風を受けて音を立て敵を怖がらせた」という部分だ。翼に長い羽根が使われたこと自体は確かだが、資料にはガチョウの羽を染色した例もあり、猛禽類だけに限定できない。また、音で敵や馬を威圧したという有名な説も、博物館資料では主要な実戦機能として確認できない。翼は恐怖装置というより、フサリアの威容や身分、部隊の華麗さを示す視覚的な象徴として見る方が史料には合っている。
