ヘイムスクリングラ

『ヘイムスクリングラ』を発見したゲーム画面

テラ・ノヴァ エピソード(ヴィンランド)・本編相関図を見る

発見物情報

補足

古代ノルド語で「世界の輪」の意味。13世紀頃に編纂されたとされる、サガの一種。
このサガによると、アイスランドの各方角には守護者が存在しているという。

考察

『ヘイムスクリングラ』は、ヴァイキング時代から中世にかけてのノルウェー王たちを描いた王たちのサガの集成で、13世紀前半にアイスランドで成立したと考えられている。伝統的にはスノッリ・ストゥルルソンの著作とされるが、現存写本そのものに著者名が記されているわけではなく、現在は「スノッリ作と考えられている」とするのが慎重な表現である。内容は神話的なユングリング王家から始まり、ハーラル美髪王、オーラヴ・トリュグヴァソン、聖オーラヴらを経て、12世紀後半のマグヌス・エルリングソンの時代までを扱う。

「ヘイムスクリングラ」という名も、中世に付けられた正式な書名ではない。最初の『ユングリング家のサガ』冒頭にある「kringla heimsins」に由来し、おおむね「世界の輪」「世界の円環」を意味する。現在の書名として定着したのは17世紀以降である。作品の価値は単なる年代記にとどまらず、古いスカルド詩、口承、先行する王のサガなど複数の資料を組み合わせながら、ノルウェー王権の歴史を一つの大きな物語として再構成した点にある。ただし、神話的時代や古い出来事ほど、現代の意味での史実記録としてそのまま読めるものではない。

ゲーム内説明にある「アイスランドの各方角には守護者がいる」という話は、作品中の『オーラヴ・トリュグヴァソンのサガ』に実際に登場する。デンマーク王ハーラルがアイスランド侵攻を考え、魔術師を鯨の姿で偵察に送ったところ、東では竜、北では巨大な鳥、西では雄牛、南では岩の巨人に阻まれたという物語である。これらは土地を守る存在、ランドヴェッティルと結びつけられ、後世にはアイスランドを象徴する四守護者として定着した。

興味深いのは、この一場面が現代まで生き続けていることである。竜・鳥・雄牛・巨人は現在のアイスランド国章にも採用されている。『ヘイムスクリングラ』は過去を記録した本であると同時に、後世の人々が北欧の歴史やアイスランドの自己像をどのように理解するかにも大きな影響を与えた。ゲーム内では一冊の「サガ」として扱われているが、実際には多くの王の物語をまとめた大規模な歴史叙述であり、「世界の環」という名にふさわしく、神話・歴史・伝承が一つの長い北欧世界の記憶として結びついた作品なのである。

この発見物を入手できるクエスト

目次