ピョートル1世の手形

『ピョートル1世の手形』を発見したゲーム画面

発見物情報

補足

ロシア皇帝ピョートル1世が遺した手形。海軍創設のため、自ら船大工に弟子入りしてかなづちを振るったという彼の手は、皇帝のものとは思えぬ屈強さがうかがえる。

考察

ピョートル1世は、ロシアをヨーロッパの海洋国家へ変えようとした皇帝として知られる。1697~1698年の「大使節団」では自ら西欧を訪れ、造船、航海、軍事、工業などを学んだ。とくにオランダではアムステルダムのVOC造船所で実地の造船技術を学び、1698年にはイングランドのデプトフォード王立造船所でも数か月を過ごしている。皇帝自らが現場へ入り、技術を身につけようとした姿勢は、同時代の君主としてもかなり異例だった。

『大航海時代 Online』の「ピョートル1世の手形」は、そうした逸話を象徴する発見物だが、単なる創作とも言い切れない。ロシアには実際にピョートル1世の手の型や手形とされる資料が残されている。ロシア美術館には、1707年にリペツクの鋳鉄工場で砂に押した手形をもとにした鋳造品が伝わっており、現在もピョートル1世ゆかりの品として展示されている。一方で、ゲーム内で発見する個体がその資料そのものを指すとは確認できないため、両者は区別して見る必要がある。

ピョートルが造船に強い関心を持ったのは、趣味にとどまらない。彼の治世では海軍建設が国家政策の中心となり、バルト海への進出をめぐる大北方戦争の中で、ロシアは本格的な海軍力を整えていった。西欧で得た技術や人材を取り込み、造船所や海軍行政の整備を進めたことは、その後のロシア帝国形成に大きな影響を与えた。

その意味で、この発見物の面白さは「皇帝の大きな手」にあるのではなく、その手が実際に道具を持ち、造船や工業の現場へ踏み込んだという人物像にある。ピョートル1世は制度を命じただけの改革者ではなく、自ら技術を確かめ、外国から学び、国家改造へ結びつけた統治者だった。手形という小さな遺物は、彼の改革を象徴するにはよく似合っている。

この発見物を入手できるクエスト

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