メルエンプタハ碑文

『メルエンプタハ碑文』を発見したゲーム画面

発見物情報

補足

古代エジプトのファラオ、メルエンプタハ王の時代に残されたと思われる碑文。
損傷が激しく読み辛いが、「シェケン運河」や「エティ運河」と読める部分がある。

考察

メルエンプタハは古代エジプト第19王朝の王で、ラメセス2世の後を継いで紀元前13世紀末に統治した。彼の名を残す碑文として最も有名なのは、カナン遠征と「イスラエル」の名で知られるメルエンプタハ碑文だが、『大航海時代 Online』のこの発見物はそれとは内容が異なる。ゲーム内説明にある「シェケン運河」「エティ運河」という語は、メルエンプタハ治世第5年のリビア勢力との戦いを記したカルナックの大歴史碑文に実際に現れる。

この碑文は、リビア人と「海の民」を含む連合勢力がエジプト西部へ侵入した戦いを記録した長大な王碑文である。その中で敵軍の進路やエジプト側の防衛状況を述べる箇所に、シェケン運河とエティ運河が登場する。古い翻訳では、シェケン運河について位置や性格がほとんど分からず、エティ運河はヘリオポリス付近でナイルから分かれる水路と解釈されている。したがって、ゲーム内説明のように両者の名称を読み取れるという設定自体には、実際の史料上の根拠がある。

ただし、この碑文をそのまま「運河建設の記録」と見るのは適切ではない。主題はメルエンプタハによる対外戦争と王の勝利であり、運河は軍事行動の地理的背景として言及されているにすぎない。それでも、水路が進軍経路や防衛線を理解するための目印として記録されていることは、ナイル・デルタの水路網が古代エジプトの交通だけでなく、軍事や国土防衛にも深く関わっていたことを示している。

『大航海時代 Online』では碑文の断片から運河名を読み解く形になっているが、これは意外に実史へ近い。巨大な王碑文は華々しい戦勝物語である一方、断片的な地名や水路名から当時の地理や軍事行動を復元できる一次史料でもある。メルエンプタハ碑文の価値は、王の勝利を称える文章だけでなく、その行間に古代エジプトの地理と社会基盤が残されている点にもある。

この発見物を入手できるクエスト

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