古代エジプトのかつら

『古代エジプトのかつら』を発見したゲーム画面

発見物情報

補足

古代エジプトにて着用されていたかつら。着用者の身分を示すほか照り付ける日航から頭を守るため、日常的に身につけられていたと考えられる。

考察

古代エジプトでは、髪形は身だしなみだけでなく、社会的な地位や美意識を示す重要な要素だった。男女ともにかつらを用い、特に富裕層では複雑に編み込まれた髪形が好まれた。かつらには装飾的な役割があり、強い日差しから頭を守る働きもあったと考えられている。ただし、誰もが日常的に着用していたわけではなく、使用の機会や形状は身分、時代、個人によって異なっていた。

現存するかつらからは、当時の高度な製作技術を知ることができる。大英博物館が所蔵する第18王朝時代の男性用と考えられるかつらは、人毛を細かく編んだ網を土台とし、上部に巻き毛、周囲に多数の細い三つ編みを配した構造を持つ。毛束の固定や巻き毛の成形には蜜蝋と樹脂が使われ、複雑な髪形を保つ工夫が施されていた。

かつらは男性だけのものではない。ニューヨークのメトロポリタン美術館には、紀元前11世紀頃の女性ナウニの埋葬に伴うかつらが残されている。人毛を編んだ毛束には蜜蝋が使われ、表面には動物性脂肪の層も確認されている。こうした実物資料は、絵画や彫像だけでは分からない素材や製作方法を伝えている。

古代エジプトの人々は、自分の髪を整えることにも関心を払っていた。かつらのほか、付け毛や櫛、髪留めなども用いられ、好みの髪形を作るための道具や技術が発達した。かつらを着用することは、単に地毛を隠す行為ではなく、服装や装身具とともに外見を整える文化の一部だったのである。

さらに、かつらは墓にも納められた。実際に使用された品が埋葬に伴って保存されたことで、数千年後の現在もその構造を調べることができる。古代エジプトのかつらは、流行や地位の表現であると同時に、熟練した職人の技術と、人々が身だしなみに寄せた関心を物語る歴史遺物である。

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