ガンジナーメの碑文

『ガンジナーメの碑文』を発見したゲーム画面

発見物情報

補足

「ひぶん」。山の岩肌に刻まれた碑文。二つあり、一つはダレイオス1世のもの、もう一つは息子のクセルクセス1世のものである。

考察

ガンジナーメの碑文は、現在のイラン西部ハマダーン近郊、アルヴァンド山の岩壁に刻まれた二つの王碑文である。アケメネス朝ペルシアのダレイオス1世と、その息子クセルクセス1世によって残された。付近には古代都市エクバタナから西方へ通じる交通路があり、山道を行き交う人々の目に触れる場所に王の言葉が刻まれていた。

二つの碑文はほぼ同じ構成を持ち、それぞれ古代ペルシア語、エラム語、バビロニア語の三言語で記されている。各言語の文章は20行からなり、碑文全体では三つの縦長の欄が並ぶ。複数の言語が用いられたことは、多様な人々を支配したアケメネス朝の性格をよく表している。

碑文は、天地と人間を創造した神アフラ・マズダーへの賛美から始まる。続いて王は、自らを「大王」「諸王の王」と称し、さまざまな民族が暮らす広大な領域を統治する存在であると宣言する。ダレイオス1世はヒュスタスペスの息子、クセルクセス1世はダレイオスの息子と名乗り、アケメネス家の血統を示している。

二つの碑文には細かな表現の違いもある。ダレイオスがアフラ・マズダーを「偉大な神」と呼ぶのに対し、クセルクセスは「神々の中で最も偉大な神」と表現している。ほぼ同じ文章を踏襲しながらも、父子それぞれの王碑文として刻まれたことが分かる。

後世、この碑文は「宝の書」を意味するガンジナーメと呼ばれるようになった。中世には、文字が財宝の隠し場所を示していると考えられたという。しかし実際に記されていたのは、王の権威と神の加護を宣言する言葉だった。ガンジナーメの碑文は、広大な帝国を統治した王たちが、自らの支配をどのように表現し、後世へ伝えようとしたのかを示す重要な史料である。

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