補足
ケルトとは儀式用の斧のことである。細かい彫刻がされていることが多い。これを使って神々に踊りを捧げたり祖先に祈ったりした。
考察
ケルト(celt)とは、考古学で石斧や斧形の石器を指す英語の名称であり、ヨーロッパのケルト人とは別の意味を持つ。古代メソアメリカでは、石を丁寧に磨いて作られた斧形の遺物が、実用的な道具としてだけでなく、儀礼や権威を象徴する品としても用いられていた。
とりわけ精巧なケルトで知られるのが、紀元前1200年頃からメキシコ湾岸を中心に発展したオルメカ文化である。オルメカの職人たちは、翡翠輝石やさまざまな緑色石材を加工し、滑らかな曲面を持つ斧形の品を作り出した。実際に木を切るための石斧を模したものもあるが、儀礼用の品は必ずしも工具として使用されたわけではない。
ニューヨークのメトロポリタン美術館には、青緑色の翡翠輝石で作られたオルメカの儀礼用ケルトが収蔵されている。こうした緑色の石斧は、トウモロコシの芽を象徴していたと考えられる。ラ・ベンタ遺跡などでは石斧がまとめて埋納されており、農作物の成長や土地の豊穣を願う行為との関係が指摘されている。
ケルトには神格や超自然的存在の姿を彫り込んだものもある。大英博物館所蔵の儀礼用石斧には、大きな頭部と小さな身体を持つ人物像が表され、ジャガーやカイマンを思わせる特徴が見られる。こうした図像は、オルメカの宗教観や自然界に対する認識を考える手がかりとなっている。
一方、斧形石器の文化はオルメカだけに限られない。後のマヤ社会でも緑色石材のケルトは奉納品や王族の装身具として使われた。石材の一部は現在のグアテマラにあるモタグア川流域などから得られ、広域に及ぶ交流の存在を示している。
ゲーム内では神々への踊りや祖先への祈りに使われたと説明されるが、個々のケルトの具体的な使用方法まで確定できるとは限らない。埋納状況、材質、彫刻の図像を重ね合わせることで、石の道具が信仰や権力の象徴へと変わっていった姿が見えてくる。

