発見物情報
補足
ラオコーンはトロイの神官で、トロイの木馬を防ごうとした人である。ギリシャに肩入れするアテナが放った大蛇に襲われ、二人の子と共に命を落とした。
考察
「ラオコーン(腕伸ばし)」は、古代彫刻《ラオコーン群像》の復元史を背景にした発見物と考えられる。ラオコーンはトロイの神官で、ギリシャ軍が残した木馬を城内へ入れることに反対した人物として知られる。伝承では、彼が木馬を警戒するよう訴えた後、海から現れた大蛇に二人の息子とともに襲われる。この場面を表したのが《ラオコーン群像》で、激しく身をよじる人体表現と強い苦悶の表情から、古代彫刻を代表する作品の一つとされている。
像は1506年にローマで発見されたが、その時点ではラオコーンの右腕などが失われていた。そのため後世の修復では、右腕を大きく伸ばした姿として補われた。ところが20世紀初頭、曲げられた形の右腕が発見され、のちに像へ戻されたことで、本来の姿により近い復元へ改められた。つまり「腕伸ばし」という呼び方は、単なる姿勢の違いではなく、美術作品が発見後どのように解釈され、修復されてきたかという歴史そのものを示している。
『大航海時代 Online』では、『イリアス』からトロイ戦争のてん末を追い、その先でこの彫刻へたどり着く。物語として伝わったトロイ戦争が、今度は立体作品として目の前に現れる構成になっており、文学と美術が一本の航路でつながっていく点が面白い。

