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クエストシリーズ「ソロモンの鍵」#3
発見物情報
補足
聖書のソロモン王が、悪魔や精霊72体を封じ込めたという宝玉の一つ。この宝石にはベリアルが封じられているという。真偽の程は不明だ。
宝玉はよく見ると傷があり、「松の島の北の街」と彫られている。
考察
ベリアルという名は、古代ヘブライ語に由来する。ヘブライ語聖書では、もともと「無価値」「邪悪さ」などを表す言葉として使われ、悪事を働く人々を指す表現にも登場した。つまり、初めから一人の悪魔の名前だったわけではない。
その性格が大きく変化したのは、第二神殿時代のユダヤ教文献においてである。死海文書に含まれる『戦いの巻物』では、ベリアルは光の勢力に敵対する闇の勢力の指導者として描かれている。抽象的な悪を表す言葉が、超自然的な存在の名前として人格化されていったのである。
新約聖書の『コリントの信徒への手紙二』6章15節にも、キリストとベリアルを対比する記述がある。この箇所のギリシャ語では「ベリアル」の異形である「ベリアル(ベリアル/ベリアルに相当するベリアル系の綴り、Beliar)」が使われ、神に敵対する存在を意味している。
さらに時代が下ると、ベリアルは魔術書の悪魔の一人となった。17世紀の写本で知られる『ソロモンの小さな鍵』第一部『アルス・ゴエティア』では、72の霊の第68番目に登場する。王の位階を持ち、火の戦車に乗った美しい天使の姿で現れ、人々に地位や好意をもたらすと記されている。ただし、これは近世の魔術文献における伝承であり、古代の聖書に同じ姿が描かれているわけではない。
ソロモン王が悪霊を支配したという物語も、聖書以後に発展した伝承である。指輪や印章、容器などが登場するが、72体それぞれが宝玉に封じられたという設定は、確認した文献からは裏づけられない。
宝玉に刻まれた「松の島の北の街」という言葉も、歴史的な魔術文献との関係は確認できない。先に登場した「バアルの宝玉」には「遠浅の海」と刻まれており、両者は何らかの場所を示しているようにも読める。しかし、その意味や関係はまだ不明である。
無価値を意味する言葉から闇の支配者へ、さらに魔術書の王へと姿を変えたベリアル。その長い伝承の変化が、ゲームでは一つの宝玉に封じ込められている。

