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発見物情報
補足
古代ユダヤ王国のソロモン王が記したとされる魔術書。72の悪魔を召喚し、使役する方法が書かれていると言われる。
考察
ソロモンの鍵は、旧約聖書に登場するソロモン王の名を冠した魔術書である。ソロモンは知恵に優れ、エルサレム神殿を建設した王として語られる。しかし、実際に魔術書を著したことを示す確かな証拠はない。魔術を操るソロモンの姿は、後世の宗教的・文学的伝承の中で発展したものだ。
『ソロモンの鍵』(Clavicula Salomonis)は、祈祷や儀式、護符、印章などを扱う魔術書として伝わった。現在知られる写本には中世末期以降のものがあり、言語や内容にも違いが見られる。特定の一冊だけが存在したのではなく、長い時間をかけて書き写され、編集されてきた文献なのである。
ここで区別したいのが、『ソロモンの小さな鍵』(Lemegeton)だ。こちらは主に17世紀の写本で知られる別の魔術書群で、その第一部『アルス・ゴエティア』には72の霊の名前や姿、能力、召喚方法が記されている。ゲームの発見物説明にある「72の悪魔」は、特にこの文献との関係が深い。
さらに古いソロモン伝承として、『ソロモンの遺訓』がある。そこでは王が悪霊を従わせ、神殿建設に利用する物語が語られる。指輪や印章によって悪霊を支配するという発想は、後の魔術伝承にも受け継がれていった。
ゲームには、バアル、ベリアル、アスタロト、アスモダイを封じたという宝玉も登場する。しかし、72体の悪魔をそれぞれ宝玉に封印したという設定は、聖書本文に記されたものではない。後世の魔術伝承を取り入れた、ゲーム独自の物語として区別する必要がある。
また、魔術書の写本が現存することと、そこに記された召喚術が実際に効力を持つことは別問題である。ハバナ東が歴史上の魔術書の出土地だったという証拠もない。
ソロモンの鍵が興味深いのは、古代の賢王が時代を越えて魔術の支配者として語られてきたことだ。一人の王の名が、幾世紀もの人々の想像力によって新たな物語を生み続けた。その歴史こそ、この魔術書が伝える最大の謎なのかもしれない。

