メリダの門の外 西の重ね岩付近

発見物情報
補足
ひすいで作られた大型の盃。これだけ大きなものを作れるということはひすいの産出が豊富だったのであろう。
考察
メソアメリカで「ひすい」と呼ばれる石の中心は、実際には硬玉、つまりジェダイトである。古代マヤ社会では鮮やかな緑や青緑のものが特に珍重され、王侯の装身具や奉納品などに用いられた。主要な産地として知られるのは現在のグアテマラ東部、モタグア川流域で、供給地が限られていたため、ひすいは遠距離交易を通じて広く流通する貴重品だった。
ひすいは硬度が高く、加工には非常に手間がかかる。古代の職人は打撃だけでなく、研磨、切断、穿孔などを組み合わせ、長い時間をかけて成形していた。大型の品を作るには、十分な大きさの原石だけでなく、高度な加工技術も必要になる。そのため、大きな器が存在したなら、単に「産出量が豊富だった」だけではなく、良質な原石へのアクセスと熟練した工房の存在まで考える必要がある。
今回確認した範囲では、ゲーム内の「ひすいの盃」にそのまま対応する大型の実在品は見つからなかった。一方で、古代マヤでは大型の飲用容器や儀礼用器が重要な役割を持ち、ひすい自体も権力や富、生命、永続性を象徴する最上級の素材だった。したがって、この発見物は「大量に採れたから大型化できた」というより、希少な素材を贅沢に使える社会的地位と技術力を示す品として見る方が内容に合っている。
