クエストシリーズ「ローマ」#1
補足
共和制ローマ時代に造られた、ローマからイタリア半島南東岸に延びる街道。ローマ街道の中でもっとも歴史が古く、もっとも美しいといわれている。
考察
アッピア街道は、紀元前312年に監察官アッピウス・クラウディウス・カエクスのもとで建設が始まったローマの主要街道である。当初はローマとカプアを結び、第二次サムニウム戦争における軍隊の迅速な移動を目的としていた。その後、ローマの勢力拡大に合わせてベネウェントゥム、タレントゥムを経てブリンディシウムまで延伸され、イタリア南部からギリシャや東方へ向かう重要な交通路となった。
特徴的なのは、その直線的な経路と大規模な土木技術である。路盤には複数の層を重ね、後には大きな玄武岩質の敷石を密に敷き詰めた区間も整備された。中央をわずかに高くして雨水を両側へ流す構造や、歩行者用の空間、橋や排水施設なども備え、軍事道路としてだけでなく長距離移動の基盤として高い完成度を持っていた。こうした技術は後のローマ街道にも広く受け継がれていく。
やがてアッピア街道は軍事だけでなく、商業、旅行、文化交流を支える大動脈となり、1世紀の詩人スタティウスは「街道の女王」と呼んだ。現在は「Via Appia. Regina Viarum」として世界遺産にも登録されている。ゲーム内の「ローマ街道の中でもっとも歴史が古い」という表現は少し単純化されているが、最古級かつ最重要の大街道という位置づけは確かである。「もっとも美しい」は客観的な順位というより、街道沿いに連なる墓廟や遺構を含めた後世の評価として受け取るのがよい。

