発見物情報
補足
北フランスのリムザン地方リモージュ出身の細工師・G.アルペが作ったという、祭礼用の器。モンマジュール修道院院長の墓室に納められていたが、あまりに美しいためマルセイユの教会に移されたと伝えられる。
考察
アルペの聖体器は、現在ルーヴル美術館に所蔵される「アルペ師の聖体器」をもとにした発見物と考えられる。制作地はフランス中部のリモージュで、年代は1200年頃。銅を打ち出して成形し、彫金、金彩、シャンルヴェ技法による七宝装飾を施した豪華な典礼器である。内部には「師G.アルペがリモージュで私を作った」という意味の銘文が刻まれ、作者名と制作地が明示されている点でも重要な作品となっている。
外面には青、緑、赤、白など多彩な七宝が使われ、天使や聖人たちが幾何学的な区画の中に配置されている。内部には祝福する天使や「神の手」が表され、聖体を納める器としての宗教的意味が図像にも反映されている。リモージュは中世ヨーロッパを代表する七宝工芸の中心地であり、この作品はその技術的完成度を示す代表例のひとつである。
ゲーム内説明では、モンマジュール修道院長の墓室に納められていたとされるが、この点は現在も確定していない。ルーヴルでは「モンマジュール修道院に由来した可能性がある」としており、旧来の伝承を慎重に扱っている。一方、修道院長ベルトラン・ド・マルサンの墓から1799年に実際に発見されたのは別の司教杖であることが確認されている。作品そのものの華麗さだけでなく、伝承と実物資料の違いまで含めて興味深い発見物である。

