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発見物情報
補足
エジプトの、豊穣と母性の女神の像。地母神ともされる。兄であるオシリスの妻であり、天空神・ホルスを産んだ。オシリスがセトに殺されると、ホルスを助けてセトを倒した。
考察
イシスは、古代エジプトで長く信仰された女神である。エジプト語ではアセトと呼ばれ、その名は「玉座」を意味する文字と結びついている。初期には王権や死者の保護に関わり、時代が下るにつれて魔術、母性、生命を守る力を持つ女神として広く崇拝されるようになった。
イシスの姿を見分ける手がかりの一つが、頭上に載せた玉座形の標識である。また、牛の角の間に日輪を置いた冠を身につける姿も知られる。ただし、後者はハトホル女神とも共通する図像であり、冠だけで神像の正体を決めることはできない。
イシスは、オシリス神話の中心人物でもある。夫であり兄でもあるオシリスが弟セトに殺されると、イシスは妹ネフティスらと協力して遺体を探し、魔術によって夫を蘇生させたと語られる。そして息子ホルスを産み、セトの脅威から守り育てた。成長したホルスは父の後継者として王位を争うが、その過程や結末には伝承によって違いがある。
この母子の姿は、数多くの小像に表現された。メトロポリタン美術館には、紀元前664〜332年頃の青銅製イシス像が収蔵されている。玉座に座った女神が幼いホルスに乳を与える姿で、母としての慈愛と保護の力を象徴している。こうした像は神殿への奉納品や、加護を願う宗教的な品として作られた。
イシス信仰はエジプトの外にも広がり、ギリシャ・ローマ世界では航海者や家族を守る女神としても崇拝された。ナイル川上流のフィラエ神殿は、その信仰を伝える代表的な遺跡である。現在の主要建築はプトレマイオス朝からローマ時代に属し、古代エジプトの宗教が長く受け継がれたことを示している。
ゲーム内のイシス像は材質や姿勢が明示されておらず、特定の実在作品と結びつけることはできない。しかし、古代の人々が女神に託した母の愛、王権の正統性、死と再生への願いを考える手がかりとなる発見物である。

