発見物情報
補足
カリブ海でもっとも大きいと思われる島。最近になって開拓が進められ、タバコなどのカリブ特有の作物が栽培されている。
考察
キューバ島はカリブ海最大の島であり、東西に細長い島影を持つ。北にはフロリダ海峡、西にはユカタン海峡があり、大西洋とメキシコ湾を結ぶ海上交通の要所に位置している。大小さまざまな島が広がるカリブ海にあって、その大きさだけでなく、航海上の位置も重要だった。
1492年、クリストファー・コロンブスは最初の大西洋横断航海でキューバ島に到達した。しかし、ヨーロッパ人が訪れるはるか以前から、この島には先住民の社会が存在していた。とりわけタイノの人々は農耕や漁労を営み、カリブ海の島々を結ぶ航海技術や独自の文化を育んでいた。コロンブスによる到達は島の「発見」ではなく、ヨーロッパ世界との接触が始まった出来事として捉える必要がある。
ゲーム内の説明に登場するタバコも、ヨーロッパ人が持ち込んだ作物ではない。先住民は接触以前からタバコを利用しており、その習慣を知ったヨーロッパ人によって、やがて大西洋の向こう側へ広まっていった。植民地時代には商品作物としての栽培が発展し、キューバを代表する産業の一つとなった。
島の西部に位置するビニャーレス渓谷は、こうした歴史を現在に伝える土地である。石灰岩の奇岩が並ぶ独特の景観の中で、伝統的な方法によるタバコ栽培が受け継がれ、1999年には世界遺産に登録された。
一方、ヨーロッパの植民地支配は先住民の社会に深刻な変化をもたらし、後にはアフリカから連れてこられた人々の労働も島の産業を支えることになった。キューバ島の歴史は、豊かな自然と交易の発展だけでは語れない。大西洋を越えた人と物の移動、その繁栄と犠牲が重なり合う場所なのである。

