ギルガメシュ叙事詩

『ギルガメシュ叙事詩』を発見したゲーム画面

クエストシリーズ「ギルガメシュ」#1

発見物情報

補足

古代メソポタミアの叙事詩。人類最古の文学と言える。ギルガメシュ王の冒険譚が語られているが、その中には洪水伝説の原型と思われる部分がある。

考察

古代メソポタミアの都市ウルクに君臨したと伝えられる王ギルガメシュ。その名を冠した叙事詩は、現存する世界最古級の文学作品の一つである。ただし、現在知られる物語が最初から一冊の作品として存在していたわけではない。紀元前3千年紀末頃からシュメール語で語られていた英雄の物語が、後にアッカド語で再構成され、長い年月をかけて叙事詩へと発展した。

物語の中心となるのは、ギルガメシュと野人エンキドゥの友情である。二人は怪物フンババとの戦いなど数々の冒険を経験するが、エンキドゥの死によって物語は大きく変わる。親友を失ったギルガメシュは、自分にも死が訪れることを恐れ、不死の秘密を求めて旅立つ。英雄の武勇を描いた物語が、人間の命の限界を問いかける作品へと姿を変えていくのである。

その旅の果てに出会うのが、大洪水を生き延びたウトナピシュティムである。神々から洪水を知らされた彼は船を造り、家族や動物たちを乗せて生き延びた。この物語は旧約聖書のノアの箱舟と多くの共通点を持つ。しかし、洪水伝説は『アトラ・ハシース物語』など別のメソポタミア文学にも存在するため、ギルガメシュ叙事詩だけをすべての洪水伝説の唯一の原型と断定することはできない。

現在知られる標準版は、紀元前2千年紀後半に学者シン・レキ・ウニンニによって編纂されたと伝えられる。紀元前7世紀のアッシリア王アッシュルバニパルの図書館からは、その写本を含む粘土板が多数発見された。1872年には大英博物館のジョージ・スミスが洪水物語を解読し、古代文学研究に大きな衝撃を与えた。

不死を求めた王が最後に手にしたのは、永遠の命ではなかった。人間は死を避けられなくとも、都市を築き、物語を残し、後世へ知恵を伝えることができる。数千年を経て読み継がれるこの叙事詩そのものが、ギルガメシュの求めた永遠に対する一つの答えとなっている。

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