クフ王が描かれたレリーフ

『クフ王が描かれたレリーフ』を発見したゲーム画面

発見物情報

補足

古代エジプトのファラオ、クフ王が描かれたレリーフの一部。カルトゥーシュと呼ばれるヒエログリフの曲線がファラオの名を囲んでいる。同様のレリーフには、生贄とされた牛が描かれたものや、弓を引く王が描かれたものなどがある。

考察

クフ王は古代エジプト第4王朝のファラオで、ギザの大ピラミッドを建設した王として知られる。古代世界の七不思議に数えられる巨大建造物を残しながら、その姿を伝える同時代の資料は意外なほど少ない。王の人物像を知るうえで、わずかに残された彫像やレリーフは重要な手がかりとなっている。

代表的な資料が、1903年にアビュドスで発見された高さ約7.5センチメートルの象牙製小像である。玉座に座るクフ王を表したもので、エジプト考古省は同時代に制作されたことが確実な王の立体像として紹介している。巨大なピラミッドと手のひらに収まるほどの小像との対比は、クフ王に関する遺物の残存状況を象徴している。

レリーフについては、ニューヨークのメトロポリタン美術館が、クフ王の治世に制作された牛の浮彫断片を所蔵している。長い角を持つ牛が描かれ、その上方には王の名を含む碑文が刻まれている。牛は王の葬祭儀礼に供えられるものだった可能性があり、王自身の姿がなくても、当時の王権や信仰を知ることができる。

また、ギザの西墓地からは、クフ王の名をカルトゥーシュで囲んだ石灰岩製レリーフの断片も記録されている。カルトゥーシュは王名を囲む楕円形の枠で、王を識別する重要な手がかりとなる。ただし、名前が残っていることと、そこに王の肖像が描かれていることは別である。

シナイ半島のワディ・マガーラにもクフ王の名を記した岩壁碑文が知られ、敵を打ち倒す王の姿が表現されていた。こうした図像には王の支配力を示す政治的・宗教的な意味があり、実際の戦闘場面をそのまま記録したものとは限らない。

発見物「クフ王が描かれたレリーフ」が現実のどの遺物に対応するかは特定できない。しかし、巨大建築によって名を残した王の姿を、小さな石片や刻まれた文字から追いかけることには、考古学ならではの面白さがある。残された断片は、ピラミッドだけでは見えてこないクフ王の時代を少しずつ伝えてくれるのである。

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