補足
クルミ製の箱に鋼鉄製の弦を張り、それをメスラブと呼ばれる軽量の木の棒で叩いて演奏する打弦楽器。澄んだ音で聞く者を魅了するようだ。
考察
サントゥールは、台形の共鳴箱に多数の金属弦を張り、細い撥で叩いて音を出す打弦楽器である。分類上はツィター属にあたり、撥弦楽器とは異なって、弦そのものを小さな槌で打つことで発音する。現在もイランをはじめ、西アジアから南アジアにかけて類似する楽器が広く使われている。
ペルシア文化圏のサントゥールは、後世に周辺地域へ広がり、北インドではカシミール地方で定着したことが知られている。さらに、同系統の打弦楽器は西方にも伝わり、ヨーロッパのハンマード・ダルシマー、中国の揚琴、朝鮮半島のヤングムなど、地域ごとに独自の発展を遂げた。形や調弦法、撥の形状には違いがあるが、「張った弦を打って鳴らす」という基本構造は共通している。
ゲーム内の説明にある「クルミ製の箱」「鋼鉄製の弦」「メスラブと呼ばれる木の棒」という細部は、現代のペルシア系サントゥールの特徴とよく合う。ただし、歴史的な個体では材質や弦の種類に幅があり、すべての時代・地域で同じ仕様だったわけではない。サントゥールの魅力は、弦楽器なのに叩いて演奏するという仕組みそのものと、その音色が広い地域へ受け継がれていった点にある。

