ズルナ

『ズルナ』を発見したゲーム画面

発見物情報

補足

オスマントルコの伝統的な木管楽器。
非常に大きい音を出す楽器で、軍楽や祭礼時の舞踊の伴奏に用いられる。室内での演奏には適さない。

考察

ズルナは、トルコを中心に西アジアやバルカン半島などで親しまれてきた木管楽器である。先端に取り付けた二枚のリードを振動させて音を出す複簧楽器の一種で、管の末端が朝顔のように広がる形をしている。鋭く力強い音が遠くまで届くため、静かな室内よりも屋外での演奏に適している。

材にはスモモやアンズ、ツゲなどの木が用いられ、音域や用途に応じて大きさの異なる種類がある。トルコではカバ・ズルナやジュラ・ズルナといった呼び分けもあり、同じ名の楽器でも響きや役割は一様ではない。

オスマン帝国では、軍楽隊「メフテル」の旋律を担う重要な楽器だった。太鼓やシンバル、ラッパなどと組み合わされ、その響きは行進や儀礼の場を満たした。もっとも、ズルナの役割は軍事に限らない。村の結婚式や祭礼、民俗舞踊でも演奏され、特に大型の太鼓ダヴルとの組み合わせは、地域の祝いの場に深く根づいている。

同系統の楽器はイランのソルナ、ギリシャのズルナスなど、異なる名でも知られる。呼び名や形状の違いは、この楽器が広い地域で受け継がれてきたことを示している。メトロポリタン美術館には十九世紀末のトルコ製ズルナも収蔵されており、木製の管体を備えた実物から、その構造を確かめられる。

軍隊の威容を伝える音と、祝祭の人々を踊らせる音。ズルナの大きな響きには、権威を示す場と暮らしを彩る場という、二つの歴史が重なっている。

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