ニネヴェ

『ニネヴェ』を発見したゲーム画面

発見物情報

補足

アッシリア帝国が後期に首都を置いた都市。
アッシリア中の書物が集められたアッシュールバニパルの図書館があったといわれる。

考察

ニネヴェは、現在のイラク北部、モスル付近に位置する古代都市である。紀元前7世紀には新アッシリア帝国の首都として繁栄し、宮殿や神殿を備えた巨大都市となった。特にセンナケリブ王による都市整備が知られ、その後も歴代の王たちによって壮麗な建築物が築かれた。

この都市を歴史上とりわけ有名にしたのが、アッシュールバニパル王による文書収集事業である。紀元前7世紀に帝国を統治した王は、各地から学術文書や文学作品を集め、必要に応じて書記たちに写本を作らせた。王自身も楔形文字を読み書きできる高度な教育を受けており、知識の収集を王権の重要な仕事と考えていた。

19世紀以降の発掘では、ニネヴェの遺跡から約3万点を超える粘土板やその破片が発見された。これらは一般に「アッシュールバニパルの図書館」と呼ばれている。ただし、発見されたすべてが一つの図書館に属していたわけではなく、王宮の記録文書なども含まれている。古代の図書館がどのように構成されていたのかは、現在も研究が続いている。

粘土板には、天文や占い、医学、宗教儀礼、辞書に相当する語彙集、神話や文学作品など、多様な知識が楔形文字で記されていた。なかでも有名なのが『ギルガメシュ叙事詩』である。大洪水の物語を記した第11書板もニネヴェから発見され、古代メソポタミアの文学を知る重要な資料となった。

紀元前612年、ニネヴェはバビロニアとメディアなどの連合勢力によって陥落した。宮殿は焼かれ、多くの文書が失われたと考えられる。しかし皮肉にも、火災の熱によって一部の粘土板が焼き固められ、長い年月を経ても文字を残すことになった。

世界のすべての文書を集めたという表現は誇張だが、当時知られていた広範な知識を集積しようとした王の試みは確かに存在した。帝国の繁栄とともに築かれ、その滅亡によって後世へ伝わった膨大な記録は、ニネヴェが軍事と政治だけでなく、知識の集積地でもあったことを物語っている。

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