発見物情報
補足
ヒッタイト王国の法典である。200カ条から成り、粘土板二枚に楔(くさび)形文字で記される。
考察
ヒッタイト法典は、紀元前2千年紀のアナトリアで用いられたヒッタイト語の法規集である。一般に約200条から成るとされ、楔形文字で粘土板に記された。内容は殺人や傷害、窃盗、婚姻、相続、奴隷、土地、家畜、農業など多岐にわたり、古代社会の日常的な紛争や財産関係を知るうえで重要な資料になっている。現代の法典のように一人の王が体系的に制定した成文法というより、長い時間をかけて蓄積・改訂された法規の集成と考えられている。
研究上は、法文は大きく二つの系列に分けられ、それぞれ冒頭の語から「もし人が」と「もし葡萄畑が」と呼ばれている。後代の写本には、古い規定を改めたことを示す表現も見られ、ヒッタイト社会で法が固定されたものではなく、時代に応じて修正されていたことが分かる。刑罰にも特徴があり、身体刑や死刑だけでなく、賠償金や財物による補償を求める規定が多い。これは他の古代西アジア法と比較する際にも注目される点である。
ゲーム内の「200カ条」「粘土板」「楔形文字」という説明は大筋で正しい。ただし、「粘土板二枚に記される」と断定すると少し単純化しすぎる。現存するヒッタイト法は複数の写本や断片から知られており、研究上は約200条を二つの主要系列として整理しているのであって、完全な二枚の原本がそのまま残っているわけではない。また「法典」という名称も便宜的で、単一の王による一括制定法というより、継承・改訂された法規集として見る方が実態に近い。

