発見物情報
補足
ギリシャ神話に登場する、トロイの最後の王の財宝。プリアモス王の息子・パリスのために戦争が起き、トロイはギリシャに滅ぼされた。
考察
「プリアモス王の財宝」は、1873年にハインリヒ・シュリーマンがヒサルルクのトロイ遺跡で発見した金銀製品などの一群に付けた名称である。金の装身具、銀や金の容器、青銅製品などが含まれ、シュリーマンはこれをホメロスの『イリアス』に登場するトロイ王プリアモスの財宝だと考えた。発見は大きな反響を呼び、「神話のトロイが実在した」という印象を強く世間に与えることになった。
しかし現在では、財宝はプリアモス王の時代よりはるか以前のものとされている。ベルリン国立博物館の資料では、主要な品々は紀元前3千年紀後半、初期青銅器時代のトロイII層に属する。一般にトロイ戦争の背景と結びつけて論じられる後期青銅器時代より千年以上古く、プリアモス王本人の財宝とみなすことはできない。「プリアモスの財宝」という呼び名は、考古学的な所有者の特定ではなく、シュリーマン自身の解釈がそのまま定着した名称なのである。
発見の経緯にも問題があった。シュリーマンはオスマン帝国当局に無断で財宝をギリシャへ持ち出し、さらにトロイの初期発掘では目的の層へ急ぐあまり遺構の一部を破壊した。現在、財宝の金製品の多くはモスクワのプーシキン美術館に、銀製品や陶器の一部はベルリンに残る。ゲーム内の「トロイ最後の王の財宝」という説明は、歴史的な名称をそのまま事実として扱ったもので、現在の考古学では修正が必要である。

