アテネの門の外(西) 北のほう

発見物情報
補足
大理石にレリーフを施したタイル。壁や床にはめ込んで装飾するためのものである。
考察
古代ギリシャでは、大理石は建築や彫刻に広く用いられ、建物の一部に浮彫を施して装飾する例も多く見られた。アテネのパルテノン神殿では、外周のメトープや内側をめぐるフリーズに大理石のレリーフが使われ、神話や祭礼の場面が連続して表現されている。墓碑や奉納板にも浮彫は多く、人物や神々の姿を平面から浮き上がらせる技法は、古代ギリシャ彫刻の重要な表現方法の一つだった。
一方、ゲーム内の「タイル」という呼び方には注意が必要である。古代ギリシャの大理石レリーフは、現代の内装材のような小型タイルとして量産され、壁や床にはめ込まれたというより、建築部材、フリーズ、メトープ、墓碑、奉納板など、特定の目的を持つ石板として作られることが多かった。特に床面では、凹凸のあるレリーフは歩行に適さないため、装飾には平滑な石材やモザイクの方が実用的だった。
したがって、この発見物は実在する特定の「彫刻タイル」を指すというより、大理石製の装飾レリーフを簡略化して表現したものと見るのがよさそうである。ゲーム内の「大理石にレリーフを施した」という点は古代ギリシャ美術として自然だが、「壁や床にはめ込むためのタイル」とまで限定すると、実際の用途とはややずれる可能性がある。古代アテネの大理石レリーフは、建築と彫刻が一体となった装飾として理解する方が実態に近い。
