補足
アンデス文明中期のもの。貝や鉱石を砕いてモザイク画にし、それを木の枠組みに埋め込んで作っている。素朴で美しいこの細工は他の地方でも人気があったのか、あちこちで見受けられる。何らかの手段で流通していったのだろう。
考察
古代アンデスでは、貝や色石を細かく切り分けて木や金属の台に埋め込むモザイク技法が高度に発達していた。特にモチェ文化の耳飾りには、金、トルコ石、ソーダライト、真珠母貝、スポンディルス貝などを組み合わせた華やかな作品が残る。大きな円盤状の飾りを耳たぶに通した軸へ取り付ける形式で、高い身分を示す装身具として使われた。
ゲーム内の説明にある「貝や鉱石を砕いてモザイクにし、木の枠組みに埋め込む」という部分は、実物資料とかなりよく一致する。モチェの職人は小さな貝片や石片をモザイク状に組み、金属だけでなく木製の支持体にもはめ込んでいた。色の異なる素材を細かく使い分けることで、人物や動物、衣服などまで表現している。単なる素朴な工芸というより、素材選びと加工の両面で非常に手の込んだ装身具だった。
また、こうした素材はすべて現地で手に入ったわけではない。スポンディルス貝は現在のエクアドル方面など暖かい海域から運ばれ、トルコ石も遠方からもたらされた可能性がある。後のチムー期にはスポンディルス交易がさらに大規模になり、金銀製品や織物などと交換された記録も残る。ゲーム内の「他の地方でも人気があり、何らかの手段で流通した」という説明には、広域交易という現実の背景がしっかり重なっている。

