発見物情報
補足
スカラベとはオオタマオシコガネのことで、動物のフンを転がして玉にし、卵を産みつける習性がある昆虫のことである。古代エジプトでは、フンを転がす姿が太陽の運行を連想させるとして信仰され護符に多用された。
考察
スカラベは、古代エジプトで最も広く用いられた護符の一つで、オオタマオシコガネをかたどった小型の装身具や印章である。古代エジプト人は、フンを丸めて運ぶ甲虫の姿を太陽の運行になぞらえ、さらに地中から成虫が突然現れるように見える生態を「再生」や「生成」と結びつけた。そこからスカラベは、昇る太陽の神ケプリと深く結びつき、「生まれ変わる」「存在するようになる」という意味を持つ強力な象徴になった。
スカラベ型の護符は第一中間期ごろから現れ、中王国以降には急速に普及した。単なる魔除けではなく、印章として使われる例も多く、底面に王名や神名、祈願文、象徴図像を刻んだものが数多く残っている。つまりスカラベは、宗教的な護符と実用品の両方の性格を持つ。新王国以降には葬送儀礼との結びつきも強まり、死者の再生を願う「心臓スカラベ」や、ミイラの胸に縫い付ける翼のあるスカラベなども用いられた。
ゲーム内の「金のスカラベ」は豪華な護符として描かれているが、実在のスカラベは必ずしも金製ではない。ステアタイト、ファイアンス、ジャスパー、アメジストなど多様な素材が使われ、銀や金を用いた例も存在する。重要なのは材質そのものより、スカラベという形と、そこに込められた再生・太陽・守護の意味だった。特に王名を刻んだスカラベは、王権や神の加護を身につける象徴として機能したと考えられている。
『大航海時代 Online』では「古代エジプトの護符」という題名で、ギザ地方から金のスカラベを発見する。実際の古代エジプトでも、スカラベは墓やミイラだけに限らず、生者が身につける装身具や印章として広く使われていた。小さな甲虫の姿に、太陽の循環、生と死、再生、王権、個人の守護までを重ねた点に、古代エジプト宗教の象徴表現の豊かさが表れている。

