知らない街

今日は、生物学のクエストを中心にのんびり遊んでいた。

動物や鳥を探して、酒場や街角で話を聞いて、また船に乗る。そんなことを繰り返していたら、クエストの途中で見慣れない地名が出てきた。

ヨーテボリ。

……どこ?

思わず画面の前で考え込んでしまった。

『大航海時代 Online』は、サービス開始の頃から何度も休止を挟みながら遊んできた。だから、知っている街なら名前を見ただけでだいたい場所の見当がつく。

でも、ヨーテボリは本当に聞き覚えがない。

きっと、自分が離れていた間のアップデートで追加された街なんだろう。

そこまでは想像できた。

問題は、どこにあるのか全然わからないことだった。

こういうときは、素直に現実世界へ逃げる。

Googleマップで検索してみると、出てきたのは「イェーテボリ」。

スウェーデンの街だった。

地図を見ると、オスロからそれほど遠くない。スカンディナヴィア半島の西側、海に面した場所にある。

「こんなところに街が増えてたのか」

急に行ってみたくなった。

目的地がわかれば、あとは船を走らせるだけ。

北の海を進み、地図を見ながらそれらしい場所へ近づいていく。

すると、洋上の向こうに街の明かりが見えてきた。

本当にあった。

当たり前なのだけれど、少し可笑しかった。

ゲームの中の地図なんだから、実装されていれば当然そこに街はある。それでも、長く遊んできた世界の中に、自分の知らない港がまだ残っていたことが妙に嬉しかった。

このゲームも、もうずいぶん古い。

知っている景色ばかりだと思っていた。

けれど、休んでいた時間のぶんだけ世界は少しずつ広がっていて、知らない街ができている。

何年も前に歩き回った海へ戻ってきても、まだ「初めて」が残っている。

今日は鳥を探すクエストをしていただけなのに、思いがけず新しい港をひとつ見つけた。

ヨーテボリ。

次に名前を見たときは、もう迷わない。

でも、初めて洋上からあの明かりを見つけたときのことは、たぶん少し覚えていると思う。

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