クエストシリーズ「最後の晩餐」#3 最終話
補足
キプロス島のレフカラ村で作られた、麻布のレース。レフカラの文化とヴェネツィアの技術が融合して、素朴でありながら上品なデザインとなっている。
考察
レフカラレースは、キプロス島南東部のレフカラ村に伝わる刺繍技法で、「レフカリティカ」とも呼ばれる。伝統は少なくとも14世紀までさかのぼり、麻布に木綿糸を用いて、糸を抜いた透かし模様やサテンステッチ、針仕事による縁飾りなどを組み合わせて仕上げる。幾何学模様を中心とした緻密な意匠が特徴で、テーブルクロスやナプキンなどが作られてきた。2009年にはユネスコの無形文化遺産代表一覧表にも登録されている。
その意匠には、キプロスに古くからあった手工芸だけでなく、古代ギリシャやビザンツの幾何学模様、さらにヴェネツィア文化の影響が重なっている。キプロスがヴェネツィアの直接統治下に入ったのは1489年で、ヴェネツィアの宮廷文化からも刺繍技法が取り入れられたとされる。ただし、レフカラレースそのものはそれ以前から続くため、単純にヴェネツィアから伝わった工芸というわけではない。外から来た技法を土地の伝統に取り込みながら独自の様式へ育てた点に特徴がある。
レフカラには、1481年にレオナルド・ダ・ヴィンチが村を訪れ、祭壇用のレースを購入してミラノ大聖堂へ寄贈したという有名な伝承も残る。キプロスの観光当局もこの逸話を紹介しているが、歴史資料から確実に確認できる出来事として扱うには慎重さが必要である。ゲーム内でダ・ヴィンチが登場する展開は、この土地に長く伝わる物語を取り込んだものと見ることができる。

