テラ・ノヴァ エピソード(ヴィンランド)・本編相関図を見る
発見物情報
補足
ランス・オ・メドーに遺されたヴァイキングの兜。
白銀で装飾されており一般の戦士の持ち物ではないと思われる。
近くに白銀の産地があるか、あるいは交易で手に入れたものなのだろうか。
考察
ゲーム内では、白銀の兜はランス・オ・メドーに残されたヴァイキングの兜として描かれている。しかし、実際のランス・オ・メドーから銀で装飾された兜が出土した事実は確認されておらず、この発見物は物語上の創作として見る必要がある。現地で実際に見つかっているのは、青銅製の環状留め具、骨製の針、紡錘車、鉄釘、鍛冶や製鉄の痕跡などである。こうした遺物は、ここが単なる一時的な上陸地点ではなく、衣服の補修や船の修理、鉄器製作まで行う活動拠点だったことを示している。
一方、ヴァイキング時代の兜そのものは考古学的に極めて希少である。代表例がノルウェーのイェルムンドブ出土兜で、10世紀後半の鉄製兜とされる。豊富な副葬品を伴う戦士墓から見つかっており、兜を所有できること自体が一定の社会的地位を示した可能性はある。ただし、装飾された武具を即座に「首領専用」とみなすことはできず、所有者の身分を装飾だけから断定するのは難しい。
銀についても、北欧世界では交易や略奪、贈与を通じて広域に流通していた。銀貨や銀製品は重量で価値を測る資産として扱われ、遠隔地交易の重要な媒体でもあった。そのため、もし北欧人の兜に銀装飾が施されていたとしても、近隣に銀山が必要だったとは限らない。ゲーム内説明にある「近くに銀の産地があるか、交易で得たのか」という発想なら、後者の方がヴァイキング時代の広域交易という実像にはよく合う。
この発見物を歴史的に面白くするのは、実在性そのものよりも、北欧人が北米へ渡ったとき、彼らが単なる漂流者ではなく、ヨーロッパと北大西洋世界の社会や交易、人間関係を背負って移動していたことを想像させる点にある。白銀の兜は実在の出土品ではないが、ランス・オ・メドーを孤立した辺境ではなく、グリーンランドやアイスランド、その先の北欧社会とつながる航海世界の一部として見るきっかけにはなる。

