クエストシリーズ「バベルの塔」#4
発見物情報
- 発見場所メソポタミア河川流域、ユーフラテス川上流、紅海
- 前提発見物バベルの塔
- 後続発見物ボルシッパ
- 必要スキル視認 Lv4・宗教学 Lv6・スペイン語
- 冒険経験値190
- 初回発見日2026年10月28日
- 最終確認日2026年10月28日
補足
アッバス朝の第8代カリフ、ムウタスィムがサーマッラーに建設した貴重な螺旋式のミナレット。絵画などに描れたバベルの塔の外見はこの塔をモデルにしたものが多い。
考察
イラク中部、チグリス川東岸の都市サーマッラーに、巨大な螺旋を描く塔がそびえている。マルウィヤ・ミナレットと呼ばれるこの建造物は、9世紀のアッバス朝が築いた大モスクの一部であり、イスラム建築の中でも際立って珍しい姿を持つ。
サーマッラーは836年、第8代カリフのムウタスィムによって新たな首都となった。しかし、マルウィヤを備えた大モスクの建設を進めたのは、後の第10代カリフ、ムタワッキルである。大モスクは849年から852年頃に建設され、当時のイスラム世界で最大規模を誇った。ゲーム内説明では建設者をムウタスィムとしているが、首都の創設者と大モスクの建設者は区別する必要がある。
塔は一辺約32メートルの正方形の基壇に立ち、高さは約54メートルに達する。外周を五重に巡る螺旋状の傾斜路が特徴で、通常のミナレットのように内部階段を上る構造とは大きく異なる。遠くからでも見える巨大な塔は、礼拝を呼びかける宗教施設であると同時に、カリフの権威を示す建築的象徴でもあった。
この螺旋構造は、古代メソポタミアのジッグラトを思わせる。ジッグラトは神殿に付属する階段状の高塔で、旧約聖書のバベルの塔の着想源になった可能性が指摘されている。しかし、マルウィヤとジッグラトの直接的な建築上の継承関係には議論が残る。
また、ブリューゲルの《バベルの塔》にも積み重なる階層や螺旋状の印象が見られるが、その造形にはローマのコロッセオの影響が強い。マルウィヤが画家の直接の手本になったと示す確かな証拠はなく、形が似ていることだけで影響関係を断定することはできない。
サーマッラーの遺跡群は2007年にユネスコ世界文化遺産へ登録された。マルウィヤは、古代の塔を連想させながらも、アッバス朝独自の建築文化と巨大な帝国の権威を今に伝える遺構なのである。

