海賊の約定書

『海賊の約定書』を発見したゲーム画面

発見物情報

補足

ある海賊がしたためた約定書。無法者の海賊たちが取り交わす約定に、どれほどの効力があるのかは不明。

考察

17世紀末から18世紀初頭、カリブ海や大西洋で活動した海賊たちは、無秩序な集団だったわけではない。多くの海賊船では、乗組員が従うべき規則を定めた「海賊の約定書」が作られていた。英語では「Pirate Articles」と呼ばれ、略奪品の分配や船内の規律、違反者への処罰などが細かく取り決められていた。

その実例を伝えるのが、1724年に出版されたチャールズ・ジョンソンの『海賊史』である。同書には、バーソロミュー・ロバーツやジョン・フィリップスらの船で用いられた規約が収録されている。

ロバーツの規約では、重要事項について乗組員が投票権を持つとされ、略奪品も一定の割合に従って分配された。船長や操舵長は一般船員より多く受け取ったが、その差は比較的小さかった。船長があらゆる場面で絶対的な権力を持っていたわけではなく、戦闘時以外の船内運営には乗組員の合意が重視されたと考えられる。

注目すべきは負傷者への補償である。フィリップスの規約には、戦闘で関節を失った者に400枚、手足を失った者に800枚の銀貨を与えるという条項があった。危険を分かち合う乗組員たちが、略奪品を共同の財源として負傷者を支える仕組みを設けていたのである。

その反面、規律違反への処罰は苛烈だった。仲間の財産を盗む、戦闘から逃げる、船内で争うといった行為には、無人島への置き去りや鞭打ち、場合によっては死刑が定められた。規約は自由を保証するだけでなく、船の統制を保つ手段でもあった。

もっとも、こうした規則がすべての海賊船で同じように守られていたわけではない。残された規約の多くは当時の出版物や裁判記録を通じて知られ、実際の運用には不明な点も多い。

ゲームに登場する約定書が、どの海賊の文書をモデルにしたかは分からない。それでも、法の外で生きた海賊たちが、自分たちの共同体を維持するために独自の法を必要としていたという事実は、彼らの意外な一面を伝えている。

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