女王ゼノビアの小剣

『女王ゼノビアの小剣』を発見したゲーム画面

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クエストシリーズ「ゼノビアの小剣」#3 最終話

発見物情報

補足

ゼノビアは、ローマ帝国に反旗を翻したパルミラの女王である。一時は巨大な領土を支配したが、アウレリアヌス帝に敗れて捕らわれローマに連れていかれた。

考察

3世紀のローマ帝国が内乱と対外戦争に揺れるなか、東方で勢力を伸ばしたのがパルミラの女王ゼノビアである。パルミラは現在のシリアに位置するオアシス都市で、地中海世界と東方を結ぶ交易の要衝として栄えていた。

267年に夫オダエナトゥスが殺害されると、ゼノビアは息子ウァバッラトゥスの後見人として実権を握った。その勢力はエジプトや小アジアの一部にまで及んだが、当初からローマ帝国からの完全独立を目指していたかは議論がある。実際、初期の貨幣にはローマ皇帝アウレリアヌスとウァバッラトゥスがともに描かれ、複雑な政治関係を伝えている。

272年、アウレリアヌス帝は東方へ遠征し、パルミラ軍を破った。ゼノビアはユーフラテス川方面へ逃れたものの捕らえられ、独自の支配は終焉を迎えた。彼女がローマの凱旋式に引き出されたという伝承がある一方、歴史家ゾシモスは移送中に死亡したという説も記している。その後の運命は確定していない。

では、女王が愛したという小剣は実在したのだろうか。ゼノビア本人の所有物と確実に同定された小剣は、今回確認した考古学資料には見当たらない。彼女が軍事行動に関わったことと、特定の武器を愛用したことは別の問題である。小剣の材質や形状を推測することもできない。

ゲームで発見の舞台となるビブロスは、現在のレバノンにある古代都市だ。フェニキア文明の発展や地中海交易と深い関わりを持つが、ゼノビアの本拠地パルミラとは異なる場所である。ここに女王の剣が眠るという物語を裏づける史実も確認されていない。

それでも、女王の小剣という発見物には魅力がある。わずかな期間ながらローマ帝国の東方を揺るがしたゼノビア。その実像と、後世に語り継がれた勇敢な女王の伝説を結びつける象徴として、この小剣を読み解くことができる。

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