トラデスカント エピソード(ザナドゥ)・本編相関図を見る
発見物情報
補足
北米原産の多年草。主に夏に花を咲かせる。花は3花弁で、青っぽい紫色をしている。花に込められた言葉は、「ひとときの幸せ」。
考察
ムラサキツユクサは、北アメリカを原産地とするツユクサ科ムラサキツユクサ属の多年草である。青紫から紫色の三枚の花弁を持つ花が特徴で、近縁種を含めたムラサキツユクサ属は北米を中心に広く分布する。たとえば Tradescantia ohiensis はカナダのオンタリオからアメリカ中部・東部に自生し、初夏に青紫色の花を咲かせる。ひとつの花が開いている時間は短く、多くは一日ほどでしぼむが、次々と新しいつぼみが開くため、株全体では長く花を楽しむことができる。
この植物がトラデスカントの物語に登場するのは偶然ではない。属名 Tradescantia は、17世紀イングランドの植物収集家ジョン・トラデスカント父子にちなむ。父子は王室庭園にも関わり、海外から多くの珍しい植物を集めたことで知られる。とくに息子のジョン・トラデスカントは北米を訪れ、現地の植物をイングランドへ持ち帰った。後世、その功績を記念してこの植物群に彼らの名が残された。
したがって、このクエストでムラサキツユクサが「後悔のその先」に置かれていることには、単なる植物発見以上の意味を感じさせる。ゲーム内の「ひとときの幸せ」という花言葉は植物学的な特徴そのものではないが、一日ほどでしぼむ花と、旅を重ねながら植物を集めたトラデスカントの物語を重ねる演出としては印象的である。植物の学名にまでその名が残ったことを考えると、彼の旅は一時のものでも、その痕跡は現在まで残っている。

