補足
古代朝鮮の歴史がつづられた歴史書。新羅、百済、高句麗の歴史が50巻に渡って記されている。
高麗の儒学者により、二年ほどかけて編さんされたという。
考察
『三国史記』は、高麗の仁宗の命を受けて金富軾を中心とする官人たちが編纂し、1145年に完成した歴史書である。高句麗・百済・新羅から統一新羅までの歴史を扱い、現存する朝鮮半島の歴史書としては最古のものとされる。全50巻で、本紀28巻、年表3巻、志9巻、列伝10巻から成り、中国の『史記』以来の紀伝体を採用している。ゲーム内の説明にある「50巻に渡って記されている」という点は史実と一致している。
編纂の中心人物として金富軾の名がよく知られるが、彼一人が執筆した書物ではない。仁宗の命による国家的な編纂事業で、金富軾を責任者として複数の編史官が参加した。従来の史料を集め、内容を選択して再構成する方法が取られ、金富軾自身は構成や史料の取捨、序文、歴史上の人物や事件への評価などに強く関与したとみられている。1142年に官職を退いた金富軾が編纂を進め、1145年12月に完成本を仁宗へ提出していることから、「二年ほど」というゲーム内説明より、実際にはおよそ三年に及ぶ事業と考えた方が近い。
『三国史記』には儒教的な政治観や道徳観が色濃く反映され、人物や出来事について編纂者自身の評価が加えられている。また三国をともに歴史の対象としながらも、新羅を重視する傾向が指摘されている。そのため記述をそのまま古代の事実とみなすことはできないが、編纂時には現在失われている古代の史書や記録も利用されたと考えられており、朝鮮三国時代を研究するうえで欠くことのできない基本史料である。失われた古代史料の内容を後世へ伝えたという点でも、『三国史記』の価値は非常に大きい。

