航海者のみんな、ごきげんよう! オリーブです。
最近、うちの船がやけに騒がしい。船員が酒場で喧嘩したわけでも、積み荷のラム酒が消えたわけでもない。原因は、三人の旅人。リオン、エレナ、トーマ。世界中に散らばる謎を追いかけたいという、なんとも物好きな三人が、私の船に乗り込んできた。
船室には空きがあるし、乗せるのは構わない。ただ、ひとつ問題がある。
三人とも、行きたい場所がまるで違う。
エレナと、何を開けるか分からない鍵
最初に口を開いたのはエレナだった。
「ソロモンの鍵を探したいんです」
歴史や考古学に詳しい彼女は、古い文献を抱えて真剣な顔をしている。ソロモンの鍵。鍵というくらいだから、何かを開けるものなんだろう。
「それで、何の扉を開けるの?」
「それを調べるんです」
……なるほど。
何を開けるか分からない鍵を探しに行く、と。
出航前から先行きが怪しい。こうして始まった冒険は、ドラゴンスレイヤー、ゼノビアの小剣、そしてソロモンの鍵へとつながっていった。
途中で別の冒険が合流したり、二つの条件がそろわないと先へ進めなかったり。気がつけば21ものクエストを追いかけていた。
エレナは大満足。私は途中から、海図より相関図を眺める時間のほうが長くなっていた。
リオンと、伝説の武器探し
次に名乗りを上げたのはリオン。
「伝説の武器を追ってみたい」
ゲイボルグ、ブリューナク、そしてクラウ・ソナス。魔槍と神槍を追い、その先に待つ伝説の光の剣へ。いいねえ。いかにも冒険らしい。
ところが、これがまた一筋縄ではいかない。槍を探していたはずが石を調べることになり、古代の遺跡を訪ね、ようやく次の手がかりが見えてくる。しかも、一つの冒険が別の冒険の前提になっている。
「リオン、これ、もう少し整理できない?」
「相関図にすれば分かりやすいと思います」
……言うのは簡単だ。作ってみたら矢印が増える。線が交差する。間隔が気になる。しまいには、点線を実線に直すことにまで夢中になってしまった。
伝説の剣を探していたはずなのに、いつの間にか線を引く職人になっている。
それでも25のクエストをたどり、ついにクラウ・ソナスまで到達した。リオンは満足そう。私も満足。ただ、しばらく矢印は見たくない。
さて、問題はトーマだ
残る一人は、三人の中で一番若いトーマ。地図を広げて、何やら熱心に書き込んでいる。
「僕も冒険に行きたいです!」
もちろん、そうなると思っていた。この少年、とにかく好奇心が旺盛だ。
珍しい道具を見つければ触りたがる。知らない土地の名前を聞けば地図を広げる。何か発見すると、こちらが止める間もなく走り出す。
リオンは伝説を追い、エレナは文献を調べる。トーマはというと、面白そうなものがあれば、とりあえず首を突っ込む。
……一番危なっかしいのは、この子かもしれない。
「それでトーマ、今度は何を探すの?」
「まだ決めてません!」
決めてないんかい!
本人はすでに荷物をまとめ、いつでも出航できるらしい。行き先未定、やる気だけは満載。いやはや、頼もしいというか、困ったというか。
三人の旅は、まだ始まったばかり
こうして私の船には、三人の旅人がそろった。エレナは歴史と伝承の謎を追い、リオンは英雄と伝説の武器を探す。そしてトーマは、まだ見ぬ発見を求めて、これから新しい航路へ踏み出す。
この「シリーズ」では、三人がたどる冒険のつながりを、一枚の相関図に記録していく。一つの冒険が次の冒険へつながり、別々の道が思いがけない場所で交わる。その道筋を見つけるのも、航海の楽しみのひとつだ。
しかし、この三人。ひとつ謎を解くたびに、次の謎を持ってくる。おかげで船は休む暇もない。まあ、退屈するよりはいいか。
……おっと。トーマがもう帆を張り始めている。
「ちょっと待って! まだ行き先も決まってないでしょ!」
「大丈夫です! 地図ならあります!」
地図があればいいってもんじゃない!
……誰か、あの子を止めて。せめてお昼くらい、ゆっくり食べさせてほしい。
それでは、みんな。よい航海を!

